大会概要

大会名称

トラベラーズ選手権

放送日時

2025.6.22(日)

あさ5:30 〜 8:00

2025.6.23(月)

あさ5:00 〜 7:30

開催場所

TPCリバーハイランズ(コネチカット州)

賞金総額

2,000万ドル

前回優勝者

スコッティ・シェフラー

FedExCupポイント

700pt

■ロースコアの熱戦&混戦、プレーオフは15年間で6回も

昨年は22アンダーでスコッティ・シェフラーがプレーオフでトム・キムを撃破。一昨年はキーガン・ブラドリーが23アンダーで優勝と、直近数年は20アンダー前後のロースコア。

バーディラッシュに加え、2つのパー5は2オン可能でイーグルも続出。毎年コースは歓声と拍手で盛り上がる。青年商工会議所が中心となって運営されており、ニューヨークからも車で2時間強と日帰り可能。フェニックスオープンに次ぐ大ギャラリーでも知られる人気大会だ。

注目は15番、16番、17番の3ホール。池の周りに三角形を描くように続いている。15番は1オン可能なパー4でイーグルのチャンスもあるが、左側の池が効いていてボギー以上の危険もはらむ。

16番は池越えのパー3で、攻略のカギは距離感。17番パー4は右に池が広がり、ティーショットが極めて難しい。この3ホールはリスク&リワードの典型で、最終日に失敗した選手は脱落し、成功した選手が優勝争いに残る。スリリングな“池のトライアングル”だ。

■ギネス認定、ジム・フューリックのツアー史上最少スコア「58」

2016年8月7日、トラベラーズ選手権最終日でツアー史上最少スコア「58」を記録。ギネス記録にも認定された日となった。

快晴微風の絶好の天候。1オーバーの70位だったジム・フューリックは、最終組より3時間半も早くスタートし、スコアを伸ばし続けてリーダーボードの1枚目に急浮上。1イーグル、10バーディという驚異のプレーで新記録「58」でホールアウト。試合が終わってみれば、優勝したラッセル・ノックスに3打差まで迫る5位タイに浮上していた。

それまでの最少スコアは「59」で、6人が記録。そのひとりがフューリックで、2013年9月のBMW選手権2日目にマーク。「ミスター59」そして「ミスター58」と、50台を2回も記録したことは衝撃的であり、超人選手として歴史に名を刻んだ。

シェフラーは今年5月に自己ベスト「61」を記録。ロリー・マキロイ(2015年)や松山英樹(2017年)のベストも「61」。ロースコア必至の今大会で、トップランカーたちによる記録更新があるかもしれない。

■歴史の礎 A.パーマー初優勝、C.シフォードが黒人選手初優勝

1952年に「インシュランス・シティ・オープン」として始まり、今年で74年目。ハートフォードは保険の街として発展し「インシュランス・シティ」と呼ばれ、大会名の由来にもなった。2001年までの16年間はキヤノン社がスポンサーを務めた。地元の銀行や商店などから毎日交代でボランティアが駆けつけ、夜は選手や家族も加わるキャンプファイアなどもあり、地域に愛され親しまれてきた。

また、1956年にはアーノルド・パーマーがこの大会でツアー初優勝。タイガー・ウッズが敬愛し、長男にその名を込めて名付けたチャーリー・シフォード(2015年に92歳で他界)は、1967年に黒人選手として初のツアー優勝を果たすなど、歴史の礎を築いてきた大会でもある。

■名優ポール・ニューマン、今大会との強い絆

俳優ポール・ニューマンはオハイオ州出身で、2008年に83歳で亡くなるまで最も長く暮らしたのは開催コース近くのコネチカット州ウェストポート。ゴルフ好きとして知られ、今大会のプロアマ戦にもたびたび出場していた。

大会は全収益を、ニューマンが創設した慈善団体「ホール・イン・ザ・ウォール・ギャング・キャンプ」に寄付し続けている。この団体は彼の出演映画にちなんで名づけられ、重病の子供たちを支援する目的で設立され、今もさまざまな形で寄付金が活用されている。
1982年には「ニューマンズ・オウン」というスーパーマーケットを地元に開店。純利益100%をチャリティに充てるという理念に、今大会も賛同し、強力なパートナーシップが今も続いている。

マーケットではドレッシングやパスタソース、ポップコーン、ワインなどを次々に発売。店頭にはオーガニックの新鮮な野菜や果物も並び、特製のフレッシュジュースは名物に。瞬く間に寄付金は300億円を超え、1993年にはアカデミー賞のジーン・ハーショルト友愛賞を受賞した。

加えて、ニューマンは闘病中の子供たちが安心して自然の中で楽しい時間を過ごせる場所をと、キャンプ場を設営。その慈善精神は大会とのコラボレーションで形となり、今では地元の人々の誇りともなっている。

文:佐渡充高(解説)

HOLE

PAR

YARDS

1

4

434

2

4

341

3

4

440

4

4

481

5

3

223

6

5

574

7

4

443

8

3

202

9

4

389

TOTAL

35

3527

HOLE

PAR

YARDS

10

4

462

11

3

158

12

4

411

13

5

523

14

4

421

15

4

296

16

3

171

17

4

431

18

4

444

TOTAL

35

3317

大会の注目選手

ツアー公式サイトの優勝予想ではシェフラーが最有力に推されている。今季ここまで13試合に出場し、3勝を含むトップ10入り10回。今大会のここ2年間(4位タイ、優勝)の平均スコアは「64.88」となっている。

優勝予想2番手は2022年覇者のザンダー・シャフリー。3番手にパトリック・キャントレー、4番手にキャメロン・ヤング、5番手にベン・グリフィン、6番手にコリン・モリカワと続く。

そのほかの有力選手では、2023年王者のブラドリーは9番手、ジャスティン・トーマスは10番手、マキロイは11番手、サム・バーンズは14番手評価となった。

日本からは松山が参戦する。

2025.6.13(金)
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2025.6.20(金)
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