- 2025.5.20(火)
- デービス・ライリーが5打差つけツアー2勝目 2024年チャールズ・シュワブチャレンジ最終日ハイライト
大会概要
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大会名称
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チャールズ・シュワブチャレンジ
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放送日時
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2025.5.25(日)
あさ5:00 〜 7:302025.5.26(月)
あさ5:00 〜 7:30 -
開催場所
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コロニアルカントリークラブ (テキサス州)
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賞金総額
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950万ドル
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優勝賞金
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171万ドル
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FedExCupポイント
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500pt
■80年の歴史、優勝者はレジェンドがズラリ 女子アニカ・ソレンスタムも出場
1946年に始まり、今年で開催79回目、歴史は80年目を迎えるこの大会は、PGAツアーの中でも12番目に古い伝統ある大会。
第1回大会では地元出身のベン・ホーガンが優勝し、その後も“ゴルフの神様”サム・スニード、“キング”アーノルド・パーマー、“スーパーメックス”ことリー・トレビノ、“帝王”ジャック・ニクラス、そして“新帝王”トム・ワトソンなど、そうそうたる名手たちが栄冠を手にしてきた。9年前には地元テキサス出身のジョーダン・スピースが優勝し、大いに盛り上がった。
2003年には、当時32歳だったアニカ・ソレンスタム(LPGAツアー72勝、メジャー10勝)が出場し、大きな話題を呼んだ。女子選手としてPGAツアーに出場するのは、ベーブ・ザハリアス以来58年ぶりのことで、世界中のメディアや多くのギャラリーが詰めかけた。
予選通過こそ果たせなかったものの、賛否の声が渦巻く中で堂々とプレーし、観客からは大きな拍手が送られた。性別の壁を越えたその勇気ある挑戦は、ゴルフが五輪競技として復帰する流れを後押しし、112年ぶりとなる2016年リオデジャネイロ五輪での採用へと繋がった。
■コロニアルCC、最多5勝の鉄人ベン・ホーガンを称える“ホーガンの小径"
第1回大会を制したホーガンは、その後も4勝を重ね、大会最多となる通算5勝を挙げた。最後の優勝は1959年、ホーガンが47歳のときで、これは今なお大会史上最年長優勝記録として残っている。開催はすべてコロニアルCCで開催され、ホーガンの輝かしい実績から、コースは「ホーガンズ・アリー(ホーガンの小径)」と呼ばれている。
1番ホールの右には、歴代優勝者の名前が刻まれた「ウォール・オブ・チャンピオンズ」があり、選手たちはその歴史に包まれながらスタートを切る。
コースは全ホールが木々でセパレートされており、フェアウェイは狭く、左右のドッグレッグが続く。しかも、同じ方向のホールが続かないため、風の向きが毎ホール異なり、プレーヤーには極めて高いショットバリエーションと精度が求められる。風を読み、正確なショットを操る“ショットメーカー”として名高い地元出身のホーガンが最多勝利というのは納得だ。
中でも注目のホールが、最終18番のパー4。軽い左ドッグレッグでフェアウェイは狭く、グリーン左手前には池が待ち構えている。この池に落として勝機を逃す選手も多く、1962年にはオーストラリアのブルース・クランプトンが最終日を首位で迎えながら、この池に打ち込んで痛恨のダブルボギー。優勝を逃したこの悲劇の一打以降、この池は「クランプトン・レイク」と呼ばれるようになった。
1989年に優勝した、同じくオーストラリア出身のイアン・ベーカー・フィンチ(1991年の全英オープン勝者)は、この池の縁からショットを打つ際にスラックスを脱ぎ、パンツ一丁でウォーターショット。見事に脱出成功し、「一番上等な下着で良かった!」とジョークを飛ばした。
■あわや失格、ザック・ジョンソンの2打罰優勝
2012年、ザック・ジョンソンはジェイソン・ダフナーとのデッドヒートの末、18番で約1mのパーパットを沈めて勝利。駆け寄ってきた子どもたちと笑顔でハグを交わし、TVインタビューでは通算8勝目の喜びを語っていた。ところが、この後、青ざめる事態に…。
ホールアウト後、ジョンソンがボールマークを元の位置に戻さずにパッティングしていたことが判明。これは“誤所からのプレー”とみなされ、2打罰の対象に。もしスコア提出後に発覚していれば失格となり、優勝が幻となるところだった。しかし、幸いにもスコア提出前だったことに加え、3打差のリードがあったため、失格は免れ、正式に優勝が確定した。
ジョンソンは、2007年のマスターズでタイガー・ウッズらを抑えて優勝した経験を持つ、当時36歳の実力派。正確無比なアイアンショットと冷静なプレースタイルで知られていただけに、「あのジョンソンがそんなミスを!?」と誰もが驚いた。この出来事は、全選手、いや、全ゴルファーにとっても大きな教訓となった。
これを機に、選手たちはボールマークの戻し忘れを防ぐためにさまざまな工夫を始めた。たとえば、「表と裏で違う色のコインを使用する」、「マーカーを動かした際には、目印としてパターカバーをグリーン上に置いておく」などの対策が取られ、以後のプレーのあり方にも影響を与えた。
■副賞はマニア垂涎の米国製クラシックカー
2019年から金融サービス会社チャールズ・シュワブが大会スポンサーとなり、優勝者には副賞としてレストア&カスタマイズされたアメリカ製クラシックカーが贈られるようになった。
初回はケビン・ナに、同社創業年にちなんだ1973年式ダッジ・チャレンジャーが贈られ、2022年にはサム・バーンズがファイアーバード、2023年にはエミリアーノ・グリージョが1973年式フォード・ブロンコ、そして2024年にはデービス・ライリーが1975年式シボレー・コルベット・スティングレーを手にした。果たして今年はどんな車が用意されているのか。そして、その名車のオーナーとなるのは誰なのか?
文:佐渡充高(解説)
HOLE
PAR
YARDS
1
5
581
2
4
385
3
4
475
4
3
248
5
4
476
6
4
410
7
4
480
8
3
194
9
4
413
TOTAL
35
3662
HOLE
PAR
YARDS
10
4
407
11
5
639
12
4
457
13
3
199
14
4
456
15
4
431
16
3
197
17
4
399
18
4
442
TOTAL
35
3627
大会の注目選手

PGAツアー公式サイトの優勝予想ではスコッティ・シェフラーが最有力に推されている。テキサス在住の世界ナンバーワンは前週の全米プロゴルフ選手権で圧勝し、出場2試合連続優勝を達成した。今大会は過去5回出場し、直近3年連続でトップ3(2022年:プレーオフ負けの単独2位、2023年:3位タイ、2024年:2位タイ)に入っている。
以下、2番手に2020年覇者のダニエル・バーガー、3番手に今季1勝のハリス・イングリッシュ、4番手に2016年王者のジョーダン・スピース、5番手にポイントランク14位のトミー・フリートウッドが続き、連覇がかかるデービス・ライリーは8番手にランクインした。
日本からは松山英樹、久常涼、金谷拓実が出場するが、15番手までのランキングには含まれなかった。
(写真:Getty Images)
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