- 2025.5.23(金)
- スコッティ・シェフラーがシーズン5勝目 2024年 ザ・メモリアルトーナメント 最終日ハイライト
大会概要
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大会名称
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ザ・メモリアルトーナメント presented by ワークデイ
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放送日時
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2025.6.1(日)
あさ6:30 〜 午前9:002025.6.2(月)
あさ5:30 〜 8:00 -
開催場所
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ミュアフィールドビレッジゴルフクラブ(オハイオ州)
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賞金総額
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2,000万ドル
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優勝賞金
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400万ドル
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FedExCupポイント
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700pt
■2014年、22歳の松山英樹が初出場&初優勝の衝撃
2014年、松山英樹はジャック・ニクラス主催のザ・メモリアル・トーナメントに初出場。最終日、前月マスターズで2度目の優勝を飾り、最注目のババ・ワトソンに2打差で迎え、「69」の通算13アンダー。決着はケビン・ナとのプレーオフへ突入した。
72ホール目にドライバーのシャフトが折れるアクシデントがあり、1ホール目は3番ウッドでティーショット。一方のナは1打目を左クリークに打ち込みトラブル。最終的に松山は下り3mのパーパットを決め見事勝利した。
その時、大学卒業から2か月半の22歳。ニクラスは「これから10年、15年に渡り世界でベストプレーヤーのひとりとなる選手の始まりを私たちは目撃した」とまばゆいばかりの輝きを放つ松山をじっと見つめ絶賛した。
その予言は的中。PGAツアー通算11勝、2021年マスターズで日本人初のメジャー優勝。今季は開幕戦で通算35アンダーのツアー最多アンダー記録を更新するなど数々の“初"や“新"を樹立。
冷静で落ち着いたプレー、驚異のリカバリー能力で、時に息をのむほどの迫力を感じさせる選手に成長。今年は初優勝から11年、11回目の出場。33歳の松山は思い出の大会で2度目の勝利に挑む。
■ニクラスの最高傑作、開催コースは中西部のオーガスタナショナル
今大会の創設は1976年で今年50回目の記念大会。当時36歳のニクラスはマスターズ創設者ボビー・ジョーンズに憧れ、シンボルカラーも同じグリーンに。オーガスタナショナルゴルフクラブのように美しいゴルフ場、マスターズのように歴史、伝統、選手をリスペクトする大会を目指してきた。半世紀に渡り情熱を注ぎ「ミッドウェストのオーガスタ」と称されるようになった。
昨年からトッププロのみが参加のシグネチャーイベントとして開催。もともと特別な大会として2015年より優勝者に3年のシード権(通常試合2年)を付与。賞金総額2000万ドル、優勝賞金400万ドル(約5億8,000万円)と高額だ。
「メモリアル」の名称はゴルフ界に貢献してきた人々への敬意、追悼と遺志を継ぎ社会貢献しようと名づけられ、毎年5月末のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)の週に開催。収益金はニクラス夫妻の財団を通し子供たちの医療ケア、研究、教育プログラムなどに寄付され、総額は約83億円、賛同する多くのボランティアが全米から駆けつけサポートしている。
米国中西部オハイオ州コロンバスにある開催のミュアフィールドビレッジゴルフクラブはニクラスが設計を手がけた中で最高傑作と称される名コース。PGAツアー通算73勝、メジャー最多の通算18勝という経験から得たアイデアを時代に反映させ度々改修を行い、ライダーカップやプレジデンツカップ、全米アマチュア選手権など重要な競技の舞台にも選ばれてきた。
コース名は1966年二クラスが全英オープンに優勝し、史上4人目の生涯グランドスラムを達成した舞台がスコットランドのミュアフィールドで、名称使用を打診したところ快諾。このような経緯からも最高であり続ける努力を重ねてきた。
■歓喜か落胆か、勝負の鍵を握る最終4ホール
コースはニクラスの設計哲学が色濃く表れ、そこにオーガスタナショナルの改修を手がけたデスモンド・ミューアーヘッドの独創性と芸術性がプラスされた。
コースは全長が7,543ヤードと長めだが、平均グリーン面積が5000平方フィートとやや小さめ。池など水が戦略的に12ホールも絡みショットバリューに比重が置かれる。キーホールは終盤4ホール。15番パー5は歓喜か落胆か、両極端のホール。ティーショットでフェアウェイを捉えた選手は2オンの大チャンスも、グリーン右側は崖とクリークが待ち受ける。
16番パー3はグリーン手前から左側に大きな池が広がる。池に打ち込めば脱落、右に逃げてもボギーの危険性は残る。17番は左ドッグレッグのパー4でフェアウェイを外すとパーセーブが困難に。最後の難関は18番パー4。右ドッグレッグで右サイドにはバンカー群が、左にはクリークが待ち受ける。完璧なフェードボールが打てなければピンチを招く。
■結婚65周年、ニクラス夫妻の特別な大会に」
ニクラスとバーバラ夫人は同じ歳、大学時代20歳で学生結婚。翌年に長男が誕生し、3か月後に21歳でプロ転向。夫人は今大会の繁栄のみならずPGAツアーの夫人会創設など、ゴルフ界の発展やチャリティ活動にも尽力し“母"のような存在だ。
夫妻で紡いできた開催コースは夫人の生まれ故郷で今年は節目の50回の記念大会。今年は夫人が満を持して表彰される予定で、選手たちは最高のプレーで感謝を伝えることだろう。
※主な優勝者
ジャック・ニクラス(77年、84年)、トム・ワトソン(79年、96年)、レイモンド・フロイド(82年)、へール・アーウィン(85年)、カーティス・ストレンジ(88年)、グレッグ・ノーマン(90年、95年)、ポール・エージンガー(93年)
※主な記録
・最多優勝5回(タイガー・ウッズ)複数回優勝6人
・3連覇、ウッズが1999年から3連覇を達成
文:佐渡充高(解説)
HOLE
PAR
YARDS
1
4
490
2
4
459
3
4
392
4
3
210
5
5
547
6
4
455
7
5
582
8
3
200
9
4
417
TOTAL
36
3752
HOLE
PAR
YARDS
10
4
472
11
5
588
12
3
180
13
4
455
14
4
360
15
5
561
16
3
218
17
4
503
18
4
480
TOTAL
36
3817
大会の注目選手

PGAツアー公式サイトの優勝予想で松山は12番手にランクイン。今季のトップ10入りは優勝した開幕戦ザ・セントリーのみだが、「2014年のチャンピオンは過去6度のトップ20入りを果たしている」と今大会と好相性であることを高評価の理由に挙げている。
優勝候補最有力に推されたのは昨年覇者のスコッティ・シェフラー。今月に入ってザ・CJカップ バイロン・ネルソン、全米プロゴルフ選手権で出場2試合連続優勝を達成し、前週のチャールズ・シュワブチャレンジも4位タイと連覇に向けて好調をキープしている。
以下、2番手に今季2勝のセップ・ストラカ、3番手にシェーン・ローリー、4番手にコリン・モリカワ、5番手にコーリー・コナーズと続く。
また、大会2勝のパトリック・キャントレーは6番手、ザンダー・シャフリーは8番手、チャールズ・シュワブチャレンジを制したベン・グリフィンは15番手評価となった。
(写真:Getty Images)
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