- 2025.4.26(土)
- T.ペンドリスが通算23アンダーで初優勝 2024年ザ・CJカップ バイロン・ネルソン最終日ハイライト
大会概要
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大会名称
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ザ・CJカップ バイロン・ネルソン
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放送日時
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2025.5.4(日)
あさ5:00 〜 7:302025.5.5(月)
あさ5:00 〜 7:30 -
開催場所
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TPCクレイグランチ(テキサス州)
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賞金総額
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990万ドル
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前回優勝者
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テイラー・ペンドリス
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FedExCupポイント
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500pt
■丸山茂樹の名勝負 世界ランク1位ウッズ、3位エルスを撃破!
23年前、ゴルフ界の至宝バイロン・ネルソン主催の今大会で、丸山茂樹がPGAツアー2勝目を飾った嬉しい記憶がよみがえる。2002年最終日、ドキドキで首位スタートを迎えた丸山の前に強豪が次々に迫ってきた。13番パー3でアーニー・エルスがホールインワンを決め大歓声!
タイガー・ウッズも猛チャージで急追する激闘の展開。丸山は強烈なプレッシャー下でピンチもありながらスーパーアプローチを鮮やかに決め続けピンチをしのぎ「68」の通算14アンダー。3位のウッズに4打差で逃げり、当時90歳のネルソン本人からトロフィーを授与された。
■PGAツアーの誇り バイロン・ネルソンとアーノルド・パーマー
PGAツアーに選手名が冠する大会はバイロン・ネルソンとアーノルド・パーマーの2試合のみ。レジェンドへの敬意とスピリッツ継承の思いを込めた特別な大会という位置づけだ。
今大会は1944年にダラスオープンとして始まり、今年で82年目(71回)。第1回勝者はバイロン・ネルソン、2回サム・スニード、3回ベン・ホーガンとスーパースターが連勝。大会にネルソン名が冠されたのは1968年が初回で、記念大会はミラー・バーバーが優勝。彼はネルソンのキャディ経験があり、縁ある勝利だった。
その後はジャック・ニクラス、トム・ワトソン、フレッド・カプルス、ペイン・スチュワート、ウッズらが続いた。特にワトソンはネルソンを師と仰ぎ、最も大切な大会だと3連覇含む4勝を挙げ、大会の最多優勝記録も樹立している。
■イーグル&バーディラッシュ! 2022年は4日間でバーディ2228、イーグル104
TPCクレイグランチは2021年から会場となり、優勝スコアは毎年20アンダー超。2021年、2022年と連覇したイ・キョンフンのスコアは通算25アンダーと大会記録の通算26アンダー。2022年はツアー最多バーディ&イーグルを記録し、4日間(72ホール)でバーディ数2228、イーグル数104と熾烈なスコアの伸ばし合いだった。
コースは全体的になだらかな起伏と14ホールに池やクリークが影響するが、パー5は4ホールすべて2オン可能、バーディ奪取しやすいだけでなくイーグルの可能性も高い。注目は最終18番557ヤードのパー5。グリーン手前にクリークが横切るものの、フェアウェイから多くの選手に2打でグリーンを捉えるチャンスが。イーグルで一発大逆転もあり、選手もファンもアドレナリン全開! 今年も熱い展開が予想される。
■孤高の記録 バイロン・ネルソン、年間11連勝+7勝=18勝
1912年2月4日、テキサス州フォートワース生まれ。少年時代にキャディをしながらゴルフを学んだ。ホーガンとは同じ歳でキャディ仲間、小学校からのライバルだった。ヒッコリーからスチールシャフトをいち早く打ちこなし、1945年には11連勝という超人的な記録と7勝で年間18勝。PGAツアーの年間最多勝利でこの記録を更新する選手は当分現れないだろう。
メジャー優勝はマスターズ2回、全米プロ選手権2回、全米オープン。賞金王に2回、バードントロフィー(年間最少スコア)4回。特に1945年は68.23で史上最小スコア。しかし、1942年から1946年までは大戦で賞が無く公式記録にならず幻に(現在の最少平均ストロークは2000年のウッズの67.79)。
ネルソンは年間18勝した翌1946年に34歳の若さで引退。PGAツアーの繁栄を願い、自身のホスト大会は2006年、94歳で他界する直前まで夫人とともに現地で選手たちを見守り応援。トレードマークのハートにはその思いが込められており、今も会場のあらゆるところにハートマークがあしらわれている。
文:佐渡充高(解説)
HOLE
PAR
YARDS
1
4
431
2
4
466
3
4
420
4
3
219
5
5
635
6
4
361
7
3
232
8
4
509
9
5
564
TOTAL
36
3837
HOLE
PAR
YARDS
10
4
491
11
4
467
12
4
493
13
4
512
14
4
362
15
3
216
16
4
492
17
3
147
18
5
552
TOTAL
35
3732
大会の注目選手

PGAツアー同ツアー公式サイトの優勝予想ではスコッティ・シェフラーが最有力に推されている。
今季は優勝こそないものの、出場8試合で直近3戦を含む5度のトップ10入りとその強さは相変わらず。17歳だった2014年にPGAツアー初出場を果たした大会(当時はHPバイロン・ネルソン選手権)で今季初優勝を狙う。
優勝予想2番手はキム・シウ。2023年に2位タイ、2024年に13位タイを記録するなど今大会を得意としている。また、2週前のRBCヘリテージで8位タイに入っていることも評価された。
以下、3番手にイム・ソンジェ、4番手に昨年覇者のテイラー・ペンドリス、5番手にサム・バーンズと続く。
そのほかの注目選手では、テキサス出身のジョーダン・スピースは6番手、前週のチューリッヒクラシック of ニューオリンズでツアー初優勝を飾ったベン・グリフィンは10番手、チャン・キムは13番手評価となった。
日本勢は久常涼、金谷拓実、星野陸也、大西魁斗が参戦する。
(写真:Getty Images)