- 2025.5.2(金)
- ロリー・マキロイが大会4勝目&ツアー26勝目 2024年「ウェルズファーゴ選手権」最終日ハイライト
大会概要
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大会名称
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トゥルーイスト選手権
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放送日時
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2025.5.11(日)
あさ5:30 〜 8:002025.5.12(月)
あさ5:00 〜 7:30 -
開催場所
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ザ・フィラデルフィア・クリケットクラブ(ペンシルベニア州)
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賞金総額
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2,000万ドル
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前回優勝者
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ロリー・マキロイ
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FedExCupポイント
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700pt
■マキロイ躍動の起点 ミケルソンを4打差撃破で初優勝
今大会は2003年からスタートし、昨年まではウェルスファーゴ選手権だったが、今年からスポンサーがトゥルーイスト・ファイナンシャルになり大会名が新しくなった。
昨年からシグニチャーイベントに昇格し賞金もアップ。総額2,000万ドル、優勝360万ドル(約5億6,000万円)と高額。歴代優勝者は第一回がデビッド・トムズ、ビジェイ・シン、ジム・フューリック、タイガー・ウッズらメジャー勝者がズラリ。また今大会優勝を契機に大きく羽ばたいた選手も多い。
代表的な選手はロリー・マキロイ。2010年、今大会(当時はクエイルホロー選手権)でマスターズ3勝目を飾ったばかりのフィル・ミケルソンに4打差でPGAツアー初優勝。1年後に全米オープンでメジャー初優勝と今大会の勝利は躍動の起点だった。マキロイは同ツアー29勝中、今大会4勝の最多勝利、今年は連覇と大会5勝目へ期待がかかる。
リッキー・ファウラーの初優勝も2012年の今大会。マキロイらをプレーオフで下す劇的勝利だった。3年後にザ・プレーヤーズ選手権でまたもセルヒオ・ガルシアら強豪とのプレーオフで2勝目を飾り大ブレークした。
今年は翌週に全米プロ選手権開催を控え選手たちは前哨戦としても熱戦必至だ。
■伝統美と戦略性の融合 ザ・フィラデルフィア・クリケットクラブ
今大会は昨年までノースカロライナ州のクエールホロー・クラブを中心に開催されていたが、今年は同コースで全米プロ選手権が行われるため、今年のみクリケットクラブ(ウィサヒコンコース)での開催。来年からはクエールホローに戻る。
設計はメジャーの舞台でおなじみの超名門コースを数多く手がけ、今も世界のゴルファーを魅了するアルバート・ウォーレン・ティリングハスト。1922年に開場し、同地出身の彼はメンバーとして頻繁にプレーするほどのお気に入りだった。自然の地形を生かし「園」を感じるパークランド風コースの美しい景観も要注目。戦略性にも富んでいて選手たちがどう攻略するか楽しみだ。
特徴はパー5が2ホールで、7番、12番ともに550ヤード前後の短い2オン可能なチャンスホール。この2ホールで確実にバーディ奪取できるかが鍵。ただ、18番パー4は487ヤードと長くクリークも絡んだ難しい最終ホール。勝負の行方は最後の最後までもつれるかもしれない。
■天才設計家、ティリングハストの仰天人生
ティリングハストの人生は、大富豪の子息→ギャング団結成→芸術品収集家→世界屈指の名設計家→副業で全財産を喪失。波乱万丈の人生経験をゴルフ場に注ぎ、手がけたゴルフ場は21世紀の今も異彩を放ち続けている。
1876年、フィラデルフィアで大富豪のひとり息子として誕生。甘やかされて育ったせいか、少年ギャング団を組織し街の厄介者だった。20歳の時に美しい娘リリアンに一目惚れ。彼女との出会いを機にギャングを卒業。生き方を大転換し社交界デビューした。
美しい陶磁器や家具など芸術品を収集し、詩を織り交ぜた小説も発表。彼の詩的センスからか、ゴルフ用語「バーディ(小鳥)」の生みの親としても知られる(諸説あるが有力)。
スポーツにも優れ、クリケット、ポロ、ビリヤード、ブリッジに親しんだ。夏季はスコットランドでゴルフを楽しみ、オールド・トム・モリスからも直接レッスンを受け全米アマチュア選手権に1905~1915年まで出場。1907年、32歳時に実家所有のデラウェア州の農場にゴルフ場を作れないかとの提案で初設計、ショウニーCCを開場した。
設計の虜になりゴルフ場開発の会社を設立。個性的で洗練されたデザインが一躍人気となり次々にオファーが舞い込み大繁盛。ニュージャージー州の自宅からニューヨーク州マンハッタンの事務所までリムジン通勤、現場では最高級スリーピースのスーツ姿で檄をとばした。
やがて全米プロゴルフ協会から依頼を受けトーナメント開催コースに着手。その後、不動の世界1位であるウィングドフットGCやバルタスロルGC、今年のライダーカップ会場にもなるベスページブラックCなどメジャー開催の名作を次々に完成させた。
しかし、これで終わらなかった。巨額の資産を投じ、ビバリーヒルズのスターたちをターゲットにアンティークショップ経営に乗り出したが失敗、全財産を失った。体調を崩し、オハイオ州トレドに娘と転居。後世にプライスレスな多くの傑作を残し、66年の濃密な人生を終えた(1876~1942年)。
文:佐渡充高(解説)
HOLE
PAR
YARDS
1
4
365
2
4
373
3
3
172
4
4
427
5
5
546
6
4
447
7
4
435
8
3
240
9
4
426
TOTAL
35
3431
HOLE
PAR
YARDS
10
4
449
11
4
487
12
4
424
13
4
423
14
3
122
15
5
553
16
3
215
17
4
498
18
4
517
TOTAL
35
3688
大会の注目選手

ツアー公式サイトの優勝予想で優勝候補最有力に推されたのは前回王者のマキロイ。個人戦はキャリアグランドスラムを達成したマスターズ以来約1か月ぶり。昨年までウェルズファーゴ選手権として開催されていた今大会は過去4勝を挙げている。
優勝予想2番手はジャスティン・トーマス。約3年ぶりの復活優勝を飾ったRBCヘリテージ以来3週間ぶりの出場となる。今季はアイアンショット、パッティングで好調をキープしていることが評価された。
以下、3番手にジャスティン・ローズ、4番手にシェーン・ローリー、5番手にコーリー・コナーズと続く。
そのほかの注目選手では、ジョーダン・スピースは6番手、ビクトル・ホブランドは8番手、コリン・モリカワは11番手、ザンダー・シャフリーは13番手、ルードヴィグ・オーベリは14番手にランクインしている。
日本からは松山英樹が出場。前週のザ・CJカップ バイロン・ネルソンを制したスコッティ・シェフラーは出場しない。
- 2025.5.9(金)
- 松山英樹、最終9番バーディ締めで11位発進 トゥルーイスト選手権初日