- 2025.4.19(土)
- マキロイとローリーがダブルス大会を制す 2024年チューリッヒクラシック of ニューオリンズ最終日ハイライト
大会概要
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大会名称
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チューリッヒクラシック of ニューオリンズ
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放送日時
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2025.4.27(日)
あさ5:00 〜 7:302025.4.28(月)
あさ5:00 〜 7:30 -
開催場所
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TPCルイジアナ(ルイジアナ州)
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賞金総額
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920万ドル
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優勝賞金
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132万9,400ドル
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前回優勝者
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ロリー・マキロイ&シェーン・ローリー
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FedExCupポイント
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400pt
■PGAツアー唯一のチーム戦 フォアボールでは爆発的スコアも!
ゴルフはストロークプレーだけではなく幾つかの競技方法がある。今大会はPGAツアーで唯一のポイントランク対象のチーム戦。第一回は1938年の歴史があり、今年で88年目、メジャー以外では8番目の歴史を誇る。ストロークプレーで開催されていたが、2017年からチーム戦となり新たな魅力が加わった。
チームは2人1組でランク上位選手がペアを組む選手を指名する(シード選手以外も可)。競技方法は初日と3日目はフォアサム(1つのボールを交互に打つ)、2日目と最終日はフォアボール(各自のボールを打ち良い方のスコア採用)。
注目はフォアボール。果敢な戦略とチームワークで驚きのスコア連発の可能性がある。2022年はザンダー・シャフリー&パトリック・キャントレーの親友ペアが初日に「59」を記録、勢いそのまま逃げ切り優勝。二人は今大会ならではの勝者の証チャンピオンベルト(名前の刻印入り)を巻きガッツポーズを決めたのだった。
年を重なるごとにチーム戦への注目が高まり、PGAツアーは競技のバリエーションを増やそうと、昨年からはランク対象外だがミックスダブルが復活開催。DPワールドツアーと共催のバラクーダ選手権は、スコアに応じ得点を加算するステーブルフォード方式でいつもと異なる戦略が新鮮だ。また、世界選手権として開催されていたマッチプレーは2023年に終了したが、復活を模索しているようだ。
今回は日本から、久常涼&金谷拓実、星野陸也&大西魁斗が出場する。
■期待や予想を超える“ケミストリー”の力
チーム戦の展開は予測不能。ランク上位チームが必ずしも有望とは限らない。多くのチームは親友や兄弟、先輩&後輩など親しい間柄、プレースタイルや使用ボールなど好相性の選手を指名することが多い。
昨年はメジャー勝者で同郷親友ペアのロリー・マキロイとシェーン・ローリー組が優勝したが、2018年はスコット・ピアシー、ビリ―・ホーシェル組、2021年キャメロン・スミス、マーク・リーシュマン組、2023年はデービス・ライリー、ニック・ハーディの下位組が優勝。2023年は通算30アンダーの新記録で、選手たちは“下克上現象”を「ケミストリー(化学反応)」と表現する。
チーム力は期待や想像を超える何かを起こす。2021年、ババ・ワトソンは相手が見つからず、誰からも指名されていなかったスコッティ・シェフラーと“余りもの"の即席ペア(本人談)を結成。日を追うごとに互いの力を高め合い、8位タイ。当時、ワトソンのキャディで現シェフラーのキャディであるテッド・スコットの仕事ぶりを間近にし、親しくなるきっかけに。この出来事はシェフラー快進撃の原点にもなった。
■フラットで低湿地&池だらけ、イチかバチかの大勝負も
ピート・ダイとスティーブ・エルキントンが設計に携わり、2004年に開場されたTPCルイジアナ(7,425ヤード・パー72)は高低差がほぼないフラットで池の多いコースだ。ミシシッピ川河口のデルタ地帯を抱え、同州の平均標高わずか50メートルの低湿地。最も低い所は海抜1.5メートルだ。
注目は最後の3ホール。16番パー4は1オン可能で2打目地点からグリーン先の左側の池が効いていて、チームがどのようなプランを選択するか興味深い。17番パー3は左に大きな池が広がり、状況次第でイチかバチかの決断を迫られる。18番は右サイド全域が池となるパー5。距離的には2オンも可能でイーグルで大逆転もあるスリリングな最終ホールだ。
■恐怖のアイドル!? 3本足の名物ワニ、マイティ・トライポット
大会のシンボルはコースにあるボールをくわえたワニ像。コース内に20頭のワニが生息しており、出没スポットは16番から18番の上り3ホールが多い。選手たちは緊張マックスに加えワニにも要注意だ!
コースの主と言われているのは2004年に発見された3本脚の巨大ワニ。右前足の先端を抗争で失ったと推測され、それでもボスとして君臨し続けるアイドルだ。地元ゴルファーから畏敬の念を込めて“マイティ・トライポット(強力な三脚)"と命名された。
■クセ強めグルメ、ワニのから揚げ、ザリガニ、ナマズ
ルイジアナ州は16世紀からフランス人とスペイン人が入植、フランス人が支配権を確立。当時、ルイ14世にちなみルイジアナと命名。ニューオリンズを地元の人々は“ラニャップ"という。フランス語とスペイン語の造語で「何か特別」という意味。中心街は有名なフレンチコート。カラフルな木造2、3階の建物が軒を連ねる。夕暮れにはミュージシャンが現れジャズ演奏、街はカクテルの時間がはじまる。
食文化も独特で全米屈指のクセ強グルメが多い。ワニのから揚げやスープ、茹でザリガニ、なまずのフライなど。昔からワニを食べる習慣があり養殖もしている(コース内のワニは野生)。レストランでワニの味を聞かれ「鶏肉に似ている」と答えると「鶏がワニに似ているのさ」というほど地元の名物。作家・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は1884年、ニューオリンズ万博で日本文化に魅せられ来日し帰化したが、ワニ料理が恋しかったかもしれない。
文:佐渡充高(解説)
HOLE
PAR
YARDS
1
4
399
2
5
548
3
3
221
4
4
482
5
4
438
6
4
476
7
5
561
8
4
372
9
3
207
TOTAL
36
3704
HOLE
PAR
YARDS
10
4
390
11
5
575
12
4
492
13
4
403
14
3
216
15
4
490
16
4
355
17
3
215
18
5
585
TOTAL
36
3721
大会の注目選手

PGAツアー公式サイトの優勝予想で、優勝候補最有力に推されたのは、連覇がかかるマキロイ&ローリー。マキロイは生涯グランドスラムを達成したマスターズ以来2週間ぶりの試合で今季4勝目へ。ローリーは昨年大会以来のツアー4勝目を狙う。
優勝予想2番手はホーシェル&トム・ホギー。ホーシェルは今大会と相性抜群で、ピアシーとコンビを組んだ2018年大会に加え、個人戦だった2013年大会でも優勝を飾っている。
以下、3番手にトーマス・ディトリー&ロバート・マッキンタイヤ、4番手にJ.T.ポストン&キース・ミッチェル、5番手にニコラス・エチャバリア&マックス・グレイサーマンと続く。
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